2023/10/11 発行 (2023/10/10 20:00の状況)
―地域全般の最新状況―
・175,500人近くの国内避難民が、ガザ地区全域にある88のUNRWAの学校に避難しています。イスラエル空軍の空爆が続く中、その数は増え続けています。
・UNRWAスタッフは、避難者のニーズに対応するために尽力していますが、一部の避難所は人が密集しており、食料やその他の基本的な物品、飲料水の供給が制約されています。UNRWAには、避難所を運営する5,300人以上の職員がいます。
・世界食糧計画(WFP)と協力し、パンが避難所の避難民に配布されました。
・2つのUNRWAの学校が空爆の影響を受け、10月7日以降の紛争によって影響を受けた施設の合計数は20に上りました。
・主要なパレスチナの都市では動乱が報告され、ヨルダン川西岸エリア付近の検問所やイスラエルの入植地でパレスチナの人々とイスラエル軍の間で衝突が発生しています。
・イスラエル当局は、パレスチナのIDカードを持つ者(国連及び国際NGOスタッフを含む)がヨルダン川西岸地区から東エルサレム及びイスラエル内に入るすべての検問所を閉鎖しました。ヨルダン川西岸地区内の地域と都市間の移動は、イスラエル当局による臨時の閉鎖と制約によって困難となっています。
・東エルサレム周辺の検問所の閉鎖は一部緩和されましたが、パレスチナの人たちが暮らす地域の入口に打ち抜き検問所(フライングチェックポイント)が設置されました。イスラエルの管理下に置かれている、ヘブロン(H2)の一部を市内から分離するすべての検問所が3日間連続で閉鎖され、これにより7,000人のパレスチナの人たちの移動を妨げ、健康や教育などの必要不可欠なサービスへのアクセスが制限されています。
―市民の保護―
・パレスチナ保険局省によれば、10月7日以降、ガザ地区で900人が死亡し、そのうちの290人が子どもでした。そして、4,250人が負傷しました。
・UNRWAの学生30人(女子17人、男子13人)が死亡し、8人(男子6人、女子2人)が負傷しました。
・UNRWAの職員9人(職員6人、契約職員3人)が死亡し、3人の教員が負傷しました。
・近くの空爆により、UNRWAの学校に避難している内部避難民16人が負傷し、うち2人は重症を負いました。
・ヨルダン川西岸地区(東エルサレムを含む)では、17人のパレスチナ人が死亡し、そのうちの4人が子どもでした。その中には、1人の子どもを含む3人のパレスチナ難民も含まれています。
・イスラエル当局によると、イスラエルでは1,000人が死亡しました。
―教育―
・視覚障がい者のためのリハビリテーションセンター、ガザとハーン・ユーニスの2つの職業訓練センターを含む、ガザ地区全域のUNRWAの学校が閉鎖されています。避難する人の数が増加しているため、一部の学校はシェルターとして利用されています。
・ヨルダン川西岸地区では、ほとんどのUNRWA学校が開校し、学校に近く住む教師とスタッフにより、制約がありながらも運営されています。ヘブロン(H2) を含む、危険地域にある一部の学校は閉鎖され、リモートでの学習を実施しています。
―健康・保健―
・ガザ地区全域にある22のUNRWA保健センターのうち11のUNRWA保健センターが、無料のホットラインにより予約を受け付けた救急の患者に対して、午前9時から午後12時30分まで一次医療を提供できる状態です。
・111人の保健スタッフ(保健スタッフ全体の12%)が保健センターに駐在しており、無料のホットラインを通じた緊急医療サービスはすべての地域で提供され続けています。ニーズが増加し、紛争が激化する中、UNRWAは利用可能な保健センターを拡大し、スタッフを増員させ、より長い時間利用できるように検討しています。同時にスタッフの安全性とセキュリティも確保しています。
・午後2時時点で、1,248人がホットラインを利用し、サービスを受けました。
・薬品は中央の薬局から保健センターに届けられました。今のところ薬局の在庫は不足していませんが、ガザ地区北部のジャバリアにある1つのUNRWA保健センターは、14日以内に薬が不足する可能性があります。
・地域のコミュニティは医療サービスの高い需要のために、閉鎖された保健センターを開設するように訴えています。
・ヨルダン川西岸地区では、移動とアクセスの制約により、ほとんどのUNRWA保健センターに制限がある中で運営されています。
―衛生サービス―
・固形廃棄物の収集及び埋立地への運搬活動はすべて停止しました。避難所から埋め立て地への運搬活動が始まりました。
・ジャバリアとハーン・ユーニス地区にある井戸は機能しており、9つの井戸から約9,000立方メートルの水がくみ上げられています。
・ハーン・ユーニス地域で指定された緊急避難所にはタンカーを通じた飲料水の提供が続いています。
・ジャバリアの井戸では水道網の緊急修理が行われました。
・40人の衛生管理スタッフがすべての衛生活動を運営しています。
・ヨルダン川西岸地区では、衛生管理スタッフがキャンプでごみを取り除いています。移動制限によって、キャンプ内の運搬所から埋め立て地へのごみの運搬に関する課題が報告されています。
―救済及び社会サービス―
・UNRWAの食料配布センターが10月7日に閉鎖されて以来、約50万人(112,000世帯)が食料の配給を受けることができていません。
・電話相談サービスは現在も稼働しており、心理的緊急支援が遠隔で提供されています。33人のソーシャルワーカーが遠隔で心理的サポートを提供しています。
・ガザ地区ないの内部避難民を収容する学校の数が増加するとともに、追加の移動用トイレとシャワーが設置されています。
・UNRWAはマットレス、敷物、毛布、石油缶を緊急避難所に配布しました。特定のニーズを持つ人々が優先されていますが、すべてのニーズに応えるには不十分です。
・35のUNRWA緊急避難所で、31人のスタッフによる管理を行なっています。
・スタッフの移動は、サービス提供を行うスタッフを除いて、制約のある状態が続いています。
―UNRWAの設備―
・ガザ地区、中央エリアのUNRWA学校は、学校に隣接した建物に空爆が直撃し、付近で飛び散った破片が学校の中庭でも見つかりました。
・近くの空爆により、UNRWAガザフィールドオフィス、OCHA、UNDSS、UNMAS、UNRWAガザヘッドクォーターを収容するUN共同複合施設では、多く建物が重大な損傷を負いました。車両、燃料、水の貯蔵施設を含む多くのUNRWAのものが破壊されました。少なくとも60人のUNRWAスタッフがその際にも施設にいました。(怪我などの報告は現在ありません)
※こちらのアップデートはUNRWAのオフィシャルサイトを日本語に翻訳したものです。原文(英語)は以下のリンクからご覧ください。
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